当事者と当事者でないひとの温度差



2017年10月Hawaiiで開催された「Race for the Cure」へ一緒に参加した皆さんとは

「チームピンクリボンジャパン」

と称して交流を続けています。
つい先日、このチームのキーパーソンとも言えるハワイ在住のHちゃんが一時帰国したので、数名で集まり女子会をしました。
そこで出た話題のひとつが、

健康な人(「がん」の罹患者でない人)は、自分は「がん」にならないと思っている

でした。
もちろん自分たちだって、「がん」に罹患する前は「まさか!自分ががんになるなんて!!!」の世界だから、当然っちゃー当然です・・・。
「がんは”他人事”」として捉えている、健康なひとたちを動かすために自分たちのエネルギーを使うより、一度「死生観」と向き合った自分たちは、サバイバー同士、この先どうやって楽しく生きていくか?ということを考えたほうがいいのではないか・・・。
そんな話をしていました。

よくある「あなたのためを思って」という親心ではないけれど、啓発活動が親切の押し売りと捉えられるのも本意ではないし、かといって、みすみす黙っても見過ごせない。
積極的に活動をすればするほど、歯がゆく悔しい思いを抱えることになるジレンマ。
乳がんに限らず、誰しも当事者になってはじめて、事の大きさがわかるものですよね・・・。当事者と当事者でないひとの温度差は埋めようとして埋められるものではないのが現実、とあらためて認識しました。


そんな話をしている中でわたしがもっとびっくりしたのは、ある人が「がん」に罹患したことをカミングアウトしたら、

「かわいそう」と言われた

という事実でした。
しかもそう言ったのはひとりやふたりじゃないというのです!


かわいそう


って、面と向かって人に言える言葉ではないと思うのです。(そもそも上から目線のワードですよね・・・。)
子供のころ悲しい童話を読んで、少ない語彙の中から「かわいそう」を使ったことはあるかもしれない。
不幸な環境にいる動物をネットやTVで見て「かわいそう」と言ったことはあるかもしれない。
テレビなどの報道で、何かしらの事件に巻き込まれてしまった人に「かわいそう」と思うこと、口にすることははあったかもしれない。
・・・でも目の前で「がん」に罹患したとカミングアウトした人に対して平気で「かわいそう」という言葉が出てくる人がいるなんて。
こういう人って、相手が傷つくとわからずに使うから始末が悪い。ほんとに。
サバイバーは特に初期段階で、くじけそうになる自分の気持ちと日々折り合いをつけていると思うのです。
そんな時にそんな言葉を言われたら・・・どんな気持ちになるでしょうか。



他人を変えることはできないけれど、自分はせめて、
自分の目の前のひとの気持ちに寄り添える人でありたいと思います。